2014-02-19

ロシアと性的マイノリティに対する日本記者の認識

ロシアでのオリンピックが盛り上がりを見せていまして、日本も金を取ったことでめでたい話です。
このソチ・オリンピックは、各国の首脳が参加するかどうかが結構話題になりまして、結局日本の首相が参加することになり、一部から批判されていることは、軽く、本当に軽く日本で報道されました。
これは性的マイノリティに対するロシアでのいわゆる「同性愛禁止法」に対する世界的な反対の中で、団体や国が批判をしたり、企業、例えばGoogleが性的マイノリティの象徴であるレインボーカラーロゴを採用したりといった中で、日本だけがその流れを理解していなかった、といった文脈で語られました。
まあ、白人様の文化に合わせろという話ではないのですが、性的マイノリティに関しては数々の科学的根拠が出ている中で、日本だけその事実にあまりに無関心で、前時代的なステレオタイプが横行しているというのは、例えば日本司法制度が中世レベルであるとかと似たような恥ずかしい状況ではあります。

そんな中、朝日新聞の記者がツイートをしていて、ちょっとこれは無いなーと思ったのと、どういった理由から発言が出たのかというのが気になって会話のやり取りをしました。
僕の発言も含め、会話等の全体はブログの最後の方にまとめてありますが、文中では必要な物だけ引用します。また僕の発言はブログの本文と被るところが多いので省略します。

同性愛は「趣味」ではない

(この項目には、2014/2/20 0:17に書き換えを行っています。元の文章はこちら)

まずこの話をする前に、共有しておかないといけない話なのですが、世界では同性愛が先天的な場合があるという説があります。*1
これは「性的嗜好」ではなく「性的指向」と表現されたりしますが、要は背が低いとか、男に生まれたか女に生まれたかとか、足とか手が無いとか、そういったものと同じく本人にはどうしようも無い事情であるというものです。
これは幾つかの調査によって裏付けられています。
例えば違う環境で育った兄弟の片方が同性愛者である場合はもう片方が同性愛者である可能性が優位に高いとか、双子の場合はさらに高くなるなどの報告があります。*2
(一応補足しておきますが、違う環境で育ったのに同じ特性があるということは、生まれつきの要因である可能性があると考えられるわけです)
要因の説明としてもそれほど理解が難しい話ではありません。
胎児が母親のお腹の中で成長する時、ホルモンによって体の構造が男性か女性が決まるわけですが、これが神経系には完全には作用しないことがあることがわかっています。*3
それによって、恋愛対象を決める部分が逆転していると同性愛者になるという話です。 *4
これらの説では、同性愛者は完全にどちらかに決まるものではなく、どれくらい同性愛か?というグラデーション的なもので、社会環境の因子が完全に否定されるわけではありません。人が文化的な要因で同性愛を忌諱していたものが、大人になって固有の同性を好きになるというパターンも考えられます。社会環境による要因と生まれつきの要因は、排他的ではありません。*5
何にせよ、「同性愛者はみな、本人の趣味で同性愛をやっている」という認識は間違いです。

また、同性愛は治療の対象となるものでもなく、海外ではキリスト教団体等が「治療」あるいは「反省」させようとして、結局多数の「患者」を精神病にさせてしまい、最終的には治療すべき対象でなかったことを認め、公的に謝罪している例もあります

出生によって行為を禁止することが直接的な差別にあたらないか

さて、このように同性愛は生まれつきのその人間の性質である、ということを前提に考えると関根記者のこの発言は少し引っかかります。

プーチン大統領が「この法律は性的少数者を差別するものではない」と弁解するのは、額面通りに解釈すればそうなのです。
この法律は確かに額面通りには性的少数者を差別することを規定指定はいないのですが
の部分ですね。*6
この法律に対して記者が「この法律の文面は差別行為を規定しているものではない」と言ってしまうのはかなりの問題です。
なぜなら、生まれつき本人にどうしようもない理由から、必要な行為を制限されるのはすなわち差別だからです。
そのことを指摘した後の関根記者の意見は以下のとおりです。

確かに、法律には「同性愛者を差別しろ」とは書かれていません。
内容は「公の場で自らが同性愛者であることを表明した者に罰金を科す」「未成年者へ同性愛*7のプロパガンダの禁止」「インターネットでの同様の宣伝の禁止」などです。
しかし例えば「黒人の差別撤廃についてデモをしてはいけない」とか「障害者への理解を求める宣伝をしてはいけない」とか「自分が在日韓国人であると表明してはいけない」と定めた法律があったとして「この法律には差別しろなんて書いてないから、差別を規定していない」なんて言ったら、世界中から総スカンを喰らいます。仮に「差別行為を助長するおそれがある」と付け加えてもです。
関根記者の言っていることはそういうことなわけです。
差別的な規制が書かれている法律は、つまり差別行為を規定している法律です。
記者がそうでないと言ってしまったら、日本では「ロシアでは文面上は差別してないんだな」とか「同性愛者の宣伝を禁止することは、直ぐには差別ではないんだな」という認識が広まりかねません。
実際、関根記者の発言から「法律は問題ないがその尻馬に乗る人が問題」「日本にも拡大解釈したらまずい法律いっぱいあるし」「ロシアに対して騒ぎすぎ」というツイートが流れていたりしました。

もちろん全体を見れば関根記者は同性愛者に対して『寛容』な立場であるということ(特に、本人はそう思っているであろうこと)は理解していますし、ロシアで実際にこの法案が差別を助長していることに言及もしてはいます。
しかし、そのことと、認識が間違っていると指摘されるべきかどうかは別の話ですし、記者という立場でいる以上、そこは厳しく扱われるべきではないかと思います。

関根記者は性的指向を理解しているか

さて、このことについて、twitterで指摘したところ、関根記者は自身の意見を撤回しませんでした。

これらを見るに、関根記者は同性愛をいわゆる「性的指向」ではなく「性的嗜好」と思っているのではないかと推測することができます。
つまり、同性愛とは「大人の性的な趣味」で、批判されるとわかっていながら自分で選択したもので、子供はみな異性愛者で、そういう性的な話は子供の健全な育成にはまだ早いのだ、と。
それならば賛成は出来なくとも、発言が何から出たのかは分かります。
これは日本で広く蔓延している間違いです。

ロシア政府もそのような前提で法律を作っています。
だからこそプーチンも「この法律は性的少数者を差別するものではない」といった発言をしているわけで、それに対して、諸外国では「馬鹿言ってんじゃないよ、生まれつきだって言う科学的根拠があるのに」という反応ですし、ロシアでは「同性愛は生まれつき」という紙を掲げた人が逮捕されてしまったりしています。

関根記者がそういう認識なのであれば、認識は間違いだけども、考え方は理解の範囲内だし、前提の間違いを指摘すれば、結論が変化するかもしれない。
実際僕も会話の中で何度か関根記者にそのような質問を投げかけました。

しかし、関根記者は「性的指向は理解している」との解答でした。
これはちょっと困ったな、と思うわけです。
なぜなら、であれば関根記者の発言を全てつなげると「人の生まれながらの性的指向によって、それを主張することが禁止されても、すぐさま差別とは言えない」と考えているということになり、本格的に差別肯定主義ということになってしまいます。
子供に性的なものを見せるなというのであれば、同性愛や異性愛とは関係なく、性的なものを制限する法律で行われるべきで、先に書いたとおり同性愛だけが強い規制を特別に受けるなら、有無をいわさず100%差別のはずです。
あるいは、暴力を伴わなければ、差別ではないと考えているとか・・・。うーん。

被差別者全員の同意が必要か?

関根記者は逆に僕へこのようにツイートをしてきました

これは幾つかの詭弁を含んでいます。

全体が同情論証なのは言うまでもなく、僕が面と向かって法律に賛成の立場のレズビアンの方に反論ができるかどうかと、関根記者の発言が間違いだと指摘できるかは、直接には関係ありません。そういった意味での多重尋問にもなっています。
関根記者は、あることが差別であると100%断罪できるかどうかは、被差別者全員が差別だと思わないといけない、という考えのようですが、果たしてそうでしょうか?

奴隷解放の際には、奴隷でいたほうが生活が安定すると、開放に反対した奴隷がいたそうですが、だとしても現代社会では奴隷制度は差別だと考えられます。
男女差別において、女性でも「女性は女性らしく、粛々とあるべきだ」と考える人がいますが、それを法律で強制したら100%差別でしょう?
そもそもとして、被差別者全員が、何が差別であるかの合意を取ることなどほとんど稀ですし、各々が自身に対するステレオタイプを認識することはできません。
それでも、非科学的な迷信に基づいた、生まれながらの特質に基づいた無意味な規制は、100%差別です。

しかも関根記者の取材は既にバイアスがかかっているということに気をつけないといけません。
ロシアでは、現在同性愛者に対する強い差別行為が横行しています。
以下の動画は、同性愛者を探すためにインタビューを装って、同性愛者だと答えた人間にいきなり殴りかかったり、誘拐監禁して、暴行を働く動画です。
しかもロシアではこのような暴行した人間が、堂々とYoutubeに上げているのです。
(ショッキングな映像を含むので。お気をつけ下さい。)

関根記者はこのような国の中で「法律に賛成ですか?」と聞き、賛成の意見があったことを理由に法律は差別的ではないと言っているわけです。
どうしてこういったステレオタイプのゲイバーにしか取材が出来なかったか、認識しているのでしょうか?
取材にバイアスがかかることは仕方ないこととはいえ、自身の取材にどのようなバイアスがかかるかは認識しないといけません。

また、関根記者の質問は詭弁ですが、あえて答えるなら、僕はこのレズビアンに対しても「それは間違いである」と面と向かって答えます。ロシア語は喋れませんが。
同性愛は生まれつきだからこそ、未成年者へもそれを教えなければいけません。
かつてアメリカでは、未成年の同性愛者が1時間に1人自殺していると言われていました。
彼ら彼女らを救うために、未成年者に対して「君は特殊ではない、生まれつきのよくある自然なことだよ、多くの人がいるよ」と言ってあげるのは必要でした。
いわゆるゲイパレードが存在する1つの理由もそれです。
もちろん、ロシアでは統計は取られていませんし、状況は事情が違いますが、それでも同程度の自殺が発生していることは想像に難くありません。
しかし今回の法律で、ロシアにあった、未成年者の同性愛者の相談を受け付けていたサイトは閉鎖に追い込まれてしまいました。
このサイトの閉鎖は、関根記者の「懸念」するような法律の拡大解釈でもなく、法律の尻馬に乗った差別行為ではなく、法律の文面通り規定された処置なわけです。

さて、関根記者に逆にお聞きしたいのですが、そういった苦しんでいる若者たちに面と向かって「あの法律は差別を規定していない」と言えるのでしょうか・・・?(この一文は詭弁を含みます)

「私は性的マイノリティの味方ですが」の厄介さ

関根記者はおそらく、彼自身が性的マイノリティの味方であると認識していると思います。
そして、世間にはそのような人が沢山いて、そして僕もそう思っています。
というか、そういったネットで発言する程度しかできない自称味方レベルの人間(含僕)に比べたら、関根記者は、仕事とはいえ実際にロシアでゲイバーなどの当事者に取材を行って情報発信し、問題提起までしているだけ、立派な味方であると言えます。(ゲイバーだけの取材はより差別を助長するという意見もあるようですが)
しかし、「私には理解がある」という認識は時に、内省の感覚を奪います。
結局のところ感情的に「味方をして『やっている』」のと、個別の事実問題への認識が正しいかどうかというのは、別の話になります。
ネット上には今でも「俺はゲイに理解があるよ。人に迷惑をかけなければね」とか「友人には同性愛者がいる。だから俺は同性愛者の味方だ」とか「ニコニコで見たから同性愛に理解があるよ」っていう、自称「味方」の差別主義者が溢れています。
そういった人こそが真に厄介であり、そうならないためにも自省を持ちつつ、関根記者含め日本人にこの話が正しく伝わることを願っています。

関根記者との会話全文

やり取りの全文はこちらにまとめておきましたので、確認をしたい場合はどうぞ。

別のまとめになってしまいますが、前提となった関根記者の一連のツイートはこちら

 
 


 
 

以下は本文とは別の余談になっています。

余談:同性愛の遺伝子が残る理由

記事の前半で、環境の違う双子の調査で、片方が同性愛者である場合もう片方がそうである確率が有意に高いという話をしました。
さらに血縁者でもこの傾向があり、これは少なくとも「同性愛者に生まれやすい遺伝子」というものが存在することを示唆しています。

追記:血縁者の傾向は男性同性愛者に限るという指摘を頂きました。

これは単純に考えると少し不思議です。
同性愛者は子供を残さないのですから、その遺伝子は淘汰されて、最終的には無くなってしまうように思います。

この理屈はよく反同性愛団体が、同性愛者が生まれつきであるという話に反論するのに使われます。(特に宗教団体の場合、神が作った肉体に予めそんな仕組みがあるなんて許せないでしょうから)
一部では、同性愛とは遺伝で増えず、同性愛者との接触で同性愛が「伝染」し、増えていくものだという、ゾンビやヴァンパイアのような認識を持っている宗教団体もいるそうです(ロシア政府の認識もこれに近いと思われます)。馬鹿みたいな話ですが、日本でも「ノンケがホモに襲われてホモになる」というストーリーで認識している人が多いので、笑える立場ではありません。

さて、では遺伝子が関わるとして、どうしてその遺伝子が淘汰されないのか?という話ですが、幾つかの仮説があります。

ひとつは、群れ、人間で言うと家族や集落の中に同性愛者がいることで、子供を作らない個体が出て、それが厳しい子育てを手伝ったり、親が死んでしまった場合のバックアップとして働くのではないかという説です。
これは自然界で同性愛者のペンギンなどが捨てられた卵を育てようとする様子などから伺うことができます。
自身ではなくとも、近縁の遺伝子を残そうとする遺伝子は、表面化しない遺伝子として引き継がれるということがわかっています。

他には、同性愛者を発現させる遺伝子が、同時に生殖に有利な作用をするのではないかというものです。例えば、男性を同性愛者にしやすい遺伝子が、女性に引き継がれた場合、女性をより魅力的にするものであるならば、この遺伝子は減ることはありません。(この場合、いわゆる女系で伝わっていく事になります)*8

また仮に、この遺伝子が生存にまったく有利でなくてもそれほど不思議ではありません。世の中には、癌になりやすい遺伝子や、不妊になりやすい遺伝子というものが存在しています。
自然界を見渡せば、特定の組み合わせで、生まれる前に死んでしまう致死遺伝子といいうものも存在します。
要は不利な遺伝子は、極度のサバイバル環境でなければ淘汰されず、多様性を維持するものなのです。

余談:小児性愛者について

性的マイノリティに必ず付き物なのは「小児性愛者はどうなのか」という話です。
これは、大抵の場合反同性愛主義の人が発言して「小児性愛も認めないなら、同性愛も認めないべきだ」という文脈で出てきます。
まあそれ自体は「他の車もスピード違反で捕まえないんだから俺だけ捕まえるのはおかしい」といった理屈ではありますが、一応反論しておく必要があると思うので書いておきます。

一般的に「AはBでなければいけない」という理屈に「Cも同様にBでなければならないか?違うだろう。ならばAも必ずしもBと言えないはずだ」と言うのは、状況によっては正しい理論になります。
それは、AがBに関わる要素において、Cと同じ状況にある場合です。
AだのBだの言ってると、ホントややこしくなるのでさっさと切り上げますが、要は反論としては、同性愛者と小児性愛者との、論点に対して有効な違いが指摘できれば良いわけです。

そして、それは小児性愛者が現実において、犯罪を行わずにその行為を満たすことができない、という部分になります。
同性愛者ならば、両者の同意のもとに性交や同棲が行われることは可能です。
ところが、小児性愛者に関しては、例えば12歳の女性と20歳の男性が仮に両者の強い恋愛と同意を元に性交をしても「12歳では自身の感情や将来についての適切な判断が出来ない」と考えられます。
もちろん、12歳で、深く悩み、正しく決断する場合もあるでしょう。
しかし、実際問題として、子供は多くの場合、大人に騙されやすい存在です。
そういった事情が違うため、同性愛者の問題と、小児性愛者の問題は、同等には語られず、必ずしもリンクした問題ではないと言えます(もちろん、共有する問題はあるでしょうが)

ちなみに、この立場を取る以上、現実の子供を対象としない小児性愛に関しては、内面の自由として守られなければいけないという理屈になりますし、僕もそう思います。

余談:同性愛の「治療」とは

本文中にもありましたが同性愛を治療しようとした例は世界中にあり、未だアフリカの方ではそういった「病院」が存在しますが、まあ逆に考えてみれば酷い話だということがよく分かります。
例えばあなたが男性で、女性が好きで、かつ実際に好きな人もいるとしましょう。
そこを「治療」と称して隔離し、女性が好きなことは間違っているとかずっと説教させられたり復唱させられたり、場合によっては女性の裸を見せられて興奮する様子があれば電気ショックを流して、最終的に女性を見ると苦痛を感じるように矯正するとか、他にも性欲を減退する薬品を注射される、といったことが行われるわけです。
時計じかけのオレンジとか、あんな感じですね。

追記(2014/2/20 2:50):先天性と差別

ブックマークコメントやツイッターで指摘が入った点ですが、同性愛が全て先天的であるかというと、そうではなく、複雑な要因が絡み、さらに性的マイノリティを含むと単純には語れないものになります。
この点については、ある程度その認識はあったものの、関根記者にロシアの法案の差別性を伝えるには、性的マイノリティに含まれる同性愛の一部に先天的な人がいる、ことを示すだけで十分でしたので、後天的な同性愛やその複雑性について言及しませんでしたし、引用も最小限でした。(それをしているとこの2倍の長さになると判断したため)

それによって一部の人に違和感や、傷つける部分があるとの指摘を受け、急ぎ、細かく内容を修正しましたが、改めてここで謝罪と訂正を行います。
同性愛の一部が先天的なものである、というのは幾つかの論文などが出されていますが、それに対する、別の説などもあり、そもそもこの研究はここ数十年でやっと活発になってきたもので、結論というものはありません。
というか、人間を題材にする以上、結論が出ることなどあるのか?というものではあります。
僕としては、ウガンダや一部の宗教団体が主張するような性的倒錯の油断ならない、伝染性の形態で、ゾンビのようなもの、という認識を否定する根拠としていたのですが、せめて出典を出せと言われたのでその点は追記しました。
また、余談にある遺伝子の話は、あくまで「同性愛は遺伝しないはずだ」という意見に対して、反証となるものというだけで、反証は相手の意見が成り立たないことを示すものであり、即座に科学的事実という意見ではありませんので、ご了承ください。

また、それによって「じゃあ後天的なものは差別していいのか?」という意見をもらいましたが、「先天的な由来による差別はしてはいけない」は「後天的な由来による差別は良い」という話にはなりません。いわゆる逆は必ずしも真ならずというやつです。
まずは話がわかりやすい先天的なものに絞ったのですが、しかし結果としてそう誤解されるとの指摘は正しいと思いますので、後天的な由来によっても、社会的な許容ができないものでない限り、人は性的指向によって差別されてはいけないと表明しておきます。(ここらへんは職業差別あたりと並べる話になるかと思います)

なお修正の際に同性愛の話に性同一性障害を絡める必要は無かったと判断し除去しました。

ちなみに関根記者とはその後、アメリカの同性愛の話や、ロシアでの報道についての情報を有意義に交換させていただきました。
このブログは、関根記者にこちらの意見を整理して伝えるためであって、喧嘩とか、叩きをしたかったわけではないですので、悪しからず。

  1. 幼少期の体験も関わったり、生まれつきバイセクシャルの人が選択を行なうといった話もありますが、多くは選択不可能である人がいるという論調は主流なので話をこれ以上長くしないためにその議論は省略します。 []
  2. 追記注釈:http://nationalgeographic.jp/nng/article/20111222/294622/index5.shtml []
  3. 追記注釈:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%80%A7%E5%90%8C%E4%B8%80%E6%80%A7%E9%9A%9C%E5%AE%B3#.E6.A6.82.E8.A6.81 []
  4. 追記注釈:http://www.pnas.org/content/102/20/7356.full?maxtoshow=&HITS=10&hits=10&RESULTFORMAT=1&author1=Savic&andorexacttitle=and&andorexacttitleabs=and&andorexactfulltext=and&searchid=1&FIRSTINDEX=0&sortspec=relevance&fdate=5/1/1996&resourcetype=HWCIT []
  5. 注釈にしていたものを、一部修正して追記 []
  6. 「規定指定はいないのですが」は「規定指定はしていないのですが」あるいは「規定指定はないのですが」のタイプミスだと思われます []
  7. 正確な記述は「非伝統的な性的関係」ですが、ロシア政府はこれに同性愛が含まれると表明しています []
  8. 追記注釈:http://rainbowgrid.blog.fc2.com/blog-entry-156.html []
  • コメント
  • 1
  • トラックバック
  • 0

コメント

コメントする

ブログトップへ