2012-06-16

コンプガチャ規制のパブコメ書いたので意見をください


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コンプガチャの規制について、消費者庁がパブリックコメント(一般から受け付ける意見書)を受け付けているとのことで原稿を書いてみました。
提出する前にみんなの意見を聞きたいのでブログで公開します。
話によればこのパブリックコメントは、6社協議も読んで参考にするとのことですので、今回の規制対象外や消費者庁の範疇外のことについても言及しています。
あと、いつもの話しかけ口調ってわけにもいかないし、猫もいないので、ちょっと読みづらいと思います。ご注意ください。
添削してやるぜーって人以外は、項目3だけ読んだらいいかもしれない。


1.規制対象について。
電子データ上では様々な手法が考えられるため、コンプガチャという一つの手法ではなく「利用者に景品類(経済上の利益を含む)を約束し、しかしその獲得に支払う金銭総額の、一般消費者の予想と、実際の期待値に大きな乖離が発生するもの」を対象とすべきです。
また、符票及び景品類などのアイテム類が図柄を伴うかどうかは、規制の本質には無関係であり、判断の基準とすべきではありません。
景品類はアイテム類の形であるかどうかに関わらず、他人に譲り渡して価値が発生するものであるかどうかで判断するのが良いと思われます。
下記のものは除外されるべきです。
(ア)他人に譲る方法が存在しないもの
(イ)利用者の地位を示すもの、功績を称えるもの。
しかし、上記に該当しても、引換券など、実際には間接的に景品類を手に入れるためだけに使われる場合は、その直接性に応じて都度判断が必要です。
2.有料ガチャの価値について
有料ガチャにおいて、価値が低いとされるアイテム(以下コモンアイテムと言います。)と、価値の高いとされるアイテム(以下レアアイテムと言います。)は、ネットオークションや利用者の取引条件を見てもその価値に数百倍の違いがあることも珍しくありません。ガチャ提供事業者が、期間的にレアの確率が高いと表示するイベントを開催することや、それにより利用者が誘引されていることを見ても、利用者にとってガチャにおける特定のアイテムが手に入る確率(以下出現率と言います)やその期待値が、金銭を支払うかどうかの判断において重要な要素であることは明白です。
よって、これらを著しく誤認させる表記は有利誤認と考えられるケースがあります。
以下に例を示します。
(ア)ゲーム内でのアイテムの総数を、あたかも出現率と同じ割合のように表記する。
「流通数」等と表記されますが、商流を示すと利用者が捉える可能性があるため、表記には注意が必要だと思われます。アイテムには、ガチャ以外の特殊な方法で手に入る物や、消費されてしまうものがあるため、利用者が表記されている数からガチャにおけるレアアイテムの出現率を予測すると、実際よりも高い確率を想起してしまうケースがあります。
(イ)同じレアの表記でも、出現率が違う。
ゲーム内ではその価値を示すため「アンコモン」「スーパーレア」といったランク表記を設けている場合がありますが、同じ表記でも著しく出現率に差があると問題になる場合があります。例えば「今ならスーパーレアの確率が2倍」等の表示を行いつつ、一部の元々出現率の多いアイテムだけの確率だけを上げ総数を2倍にするといった場合、利用者に誤認を起こさせます。
3.確率の変化について
電子的な有料ガチャにおいては、現実のガチャガチャと違い、利用者が気づかないうちに出現率を変化させることができます。これにより非常に欺瞞性の高いケースが考えられます。以下に例を示します
(ア)1回の値段で2回ガチャを引ける、という表記の期間限定のガチャを用意する。利用者はレアアイテムを手に入れる結果的な期待値が倍になると予想するが、レアアイテムの出現率が通常のガチャより低く設定されている。
(イ)イベントなどを開催し、利用者の需要が高まる期間に、レアアイテムの出現率を下げる。
(ウ)利用者の状況に応じて、特定アイテムの出現率を下げる。
このうち、(ウ)においてさらに具体的な例を示します。
(ウ-1)利用者が運悪くレアアイテムを手に入れられない状況が続いてる場合に、レアアイテムの出現率を上げる。
(ウ-2)同じ種類の符票を複数枚集めることを条件に景品類を提供する方式を行うが、利用者が既に取得した符票の数に応じて、符票が手に入る確率が下がる。
特に(ウ-2)においては、表面的には今回のコンプガチャ規制の対象にならないものの、実質的にコンプガチャと同じような確率の変移を実現でき、さらに利用者や省庁に知られず行うことができます。
よって、今回のコンプガチャの規制においては、利用者に知らされない確率の変化を規制しない限り、片手落ちであり、実質として規制全体が効果が無いものになることが考えられます。
これを避けるため以下の提案を行います。
(A)事業者は省庁に対して、有料ガチャで出現するアイテム等の確率を通達する
(B)事業者は利用者に対して、有料ガチャでのアイテム等の確率が変更された場合その旨を提示する
以上で言及される確率の変化において、これらが事業者の手作業によるものか、自動的・機械的に行われるものであるかは、結果引き起こされる欺瞞性や誤認または問題性に無関係です。
4.年齢制限について。
現状では、携帯電話利用者の年齢を完全に把握することは非常に困難です。
消費者庁では、年齢制限を行なっているサービスであっても、制限や統計に含まれない未成年利用者がいることは常に考慮されるべきです。


以上、スペース改行等含み、1997文字
参考
消費者庁による「カード合わせ」に関する景品表示法(景品規制)上の考え方の公表
及び景品表示法の運用基準の改正に関するパブリックコメントについて

6社協議会による「コンプリートガチャガイドライン」
ご意見ご要望質問などはBlogのコメント欄に、と言いたいところですが、現在スパムよけのchapchaが上手く動かない不具合があり、コメントが上手く書き込めないようですので、他の方法でお送り頂くことになります。すいません。
メールは compgacha[at]sipo.jp へどうぞ
twitterアカウントは、tail_yとなっています。
また、はてなブックマークコメントなども読ませていただいております。


以下蛇足です。
2000文字以内って制限が地味にキツイ。
18日期限(18日の何時かわからない)らしいので、17日の23時には出したいと思ってます。
このパブコメで一番言いたいことは3項目目の(ウ-2)ですね。
ぶっちゃけこれ止めとかないと、コンプガチャ規制意味ないだろっていう。

確率操作について「確率操作ありますか?」ってインタビューに大抵「個別に確率を操作することはしていません」「人為的な操作というのは一切ありません」って回答してるんだけど、
パチンコで事件になるような確率操作が、人為的で行われてるのは単純に技術的な問題であって、
SNSゲーム上で全体に条件つけて、機械的な操作した場合だって、欺瞞性があるという点については一緒じゃんね。
今回の、そしておそらくしばらくこれからの一連の問題は、ARPPU(課金ユーザー1人あたりの課金額平均)重視の問題と言えるのではないかと思うのです。
日本の各事業者の、ゲームユーザーの状態解析とそのバランス調節ツールは、話を聞く限り非常に優秀で価値あるものなのだと思います。
しかし、ARPPUを始めとする数値は利用者の課金状況を示していても、利用者の満足度や、長期的なゲームの価値を必ずしも示してはいません。
そして、満足度を変化させずに、課金額を増やす方法というのは色々あるわけです。コンプガチャのようにね。
そこで数字だけを見て、コストをかけずによりARPPUを追おうとすると、どうしても欺瞞性や違法性の高い方法に近づいていくことが多いわけなんですよね。
これは、テレビ局がコストと視聴率を見すぎて、大げさな報道や捏造問題を引き起こしてしまった現象に似ています。
ARPPUは、もう頭打ちなんですよ。きっと。
上げられるんだけど、上げると、もう危険なんです。
だって、月に最高額数十万とか数百万とか、おかしいじゃん。普通に考えて、歪みが出るでしょ急にそこまで行くと。
ゲーム愛を持て、誇りを持て、モラルを持てといった、精神的な話をするつもりは毛頭なくて、短期の課金額を見すぎて、長期の利益を失う問題の話なんすよ。
実際今回の件で広まったSNSゲームに対する負のイメージは、非常に大きな不利益だと思います。
そこを調節するのが6社協議会だと思うんですが、今のところ「これは規制対象じゃないよね?」「これは意味が違うよね?」って言うのがメインになっちゃってて残念すぎます。
ちなみに、そのことについて「ホントは問題ないのにメディアが大げさに書きすぎ」といった発言が、そこそこ見られますが、周囲が言うならともかく、中の人が冗談でもそういう脇の甘いことを言うべきではないと思います。
stdygiftの時もそうだったんですが、周囲の罵倒が酷くて、無根拠な批判受けまくってるのは想像がつきますけど、それをもってして「出る杭は打たれた」「考え方の古い人間が」「俺悪くない」って考えちゃうパターンは非常にまずいかと。
そもそも子供大人に関わらず、昔規制された欺瞞性の高い方法と似た方法でお金集めるって、ねずみ講に対するマルチまがい商法的な立ち位置じゃん?
学校の授業で、悪質商法の中に「SNSゲームのガチャが」とか登場しても知らないぞ。ほんと。やめてマジで。
それともう1つ。
事業者内にある1種の都市伝説というか噂のようなものがあって、曰く
「トップレベルの課金者は数百万円使っているが、これ実はデイトレイダー。彼らはお金はあるけど、人との繋がりが無いのでSNSゲームを利用する」
とか、
どうやって利用者の職業調べたんだとか、色々気になることはあるんですが、事の真偽とは別にこれらが、開発者側の心理的な免罪符になってるフシがあるんですね。
つまり、数百万も使う人間はお金持ちで、彼らにとって数百万は大したことない額だ、と。
でも実際にはそこに子供が紛れ込んでることがあるわけですよ。
もしくはその日の食費まで削ってサラ金で借りてまで支払っちゃう人がいるかもしれないわけですよ。
もちろん、99%がデイトレイダーって可能性も無くはないと思いますけど、例えそうだとしても、上限は高すぎてはいけないんだと思います。
今は本当に高すぎるし、そして数十万、数百万の商品を売ってる割には、事業者側にそれだけの準備が足りないところも多くある。抽選ミスったりとか、透明性無かったりとか。
価格が高くなれば間違えた時の問題も大きくなるわけで、下手すりゃ大規模詐欺が事業者内に紛れ込むこともある。
それをちゃんとリスクとして認識しておいたほうがいいのではないかと思います。
最後に、ソーシャルゲームは今後、日本を代表する
(定型文なので省略)
期待しています。

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